「こども相談室てんとうむし」は「株式会社TEAM TSUZUKI」が運営する障害児通所支援事業所です。
 TEAM TSUZUKIは、
こども達が
「勤勉に働くことを喜べる人」
「人の信頼を大切にする人」
「人の役に立つことを喜べる人」

に育ち、幸せな生活を送っていってくれることを理想と考え、そのために出来る活動には何でも取り組んでいこうと考えています。

 設立5年目を迎え、、学習、自立生活技術、協調運動など、事業所としての活動の幅が広がっています。今後も、働ける大人になるために必要な活動をどんどん取り組んでいきたいと思っています。

 「てんとうむし」の特色は、30年を超える経験を持つ臨床心理士が、それぞれのこどもの性格傾向や発達水準を創造的な視点で見極め、こどものことを大好きな保育士や教員、介護福祉士、児童指導員が、温かい視点と厳しい視点を共に持って、療育にあたっていることです。

 てんとう虫は、常に上に向いて登り、お天道様に向かって飛び立ちます。勤勉さと向上心の象徴として、事業所の名前に採用しています。

なぜ、学習に取り組むのか?

 療育とは、お父さんお母さんや先生のいうことを素直に聞き、お友達とも仲良く遊べるような子どもになってもらうための援助です。具体的な材料として「しつけ」「運動」「学習」などを使います。
 その中でも、なぜ、学習に取り組むのか、改めて確認しておきたいと思います。

 

1.コミュニケーション発達のため。

広汎性発達障害児は、聞くことが苦手です。ことばの遅れの主要因です。
文字を覚え、読むことで、聞くことの苦手さを補います。
これは、流暢に話せる子どもでも同じ意味があります。
流暢に話していても、案外、聞くことにはいい加減だったりしますから。

2.対人関係の障害の克服のため。

 とかく、マイペースな行動に走りがちな広汎性発達障害児は「大人が教える-子どもが教えてもらう」という関係を身につけることで、場の空気を読むことを学んでいけます。
 自分勝手な行動が減るのです。関係を教える課題として、出来たか出来ないかがはっきり分かって、きちんと褒めることの出来る学習は、最適の教材です。
 また、「教える-教えられる」関係を維持するためには、教え続けることが必要です。
 ちょっと油断すると、本来のマイペースな世界にもどってしまうことがあります。

3.適切な対人関係行動の獲得のため。

 多数派の子ども達が当たり前に身につけている、状況に応じた対人関係技術を教えていくのに、学習面に余裕を持たせることが有効です。
 小学校入学以降は、学習には余裕を持って取り組み、主に対人関係技術を学習するという状態を作り上げるのです。

なぜ、運動に取り組むのか?

 身体感覚という言葉があります。自分の体がどのような形になっているのかを考えなくても感じる事が出来る感覚のことです。
 広汎性発達障害児の多くは、この身体感覚が弱いようです。
 その結果、様々な運動にぎこちなさが見られます。例えば、歩くときに、右足を出したら次には左足を出してと、考えながら歩くとか、前向きに傾いて倒れそうになりながらカタカタと足が動く歩き方をするなど、上手な歩き方が出来ないことになります。

 

 この感覚を鍛えるには、自分が思うように勝手に動くことではなく、要求される形を作ったり、動きを作ったりということが大切です。
 人間の関節部分には、「固有感覚受容器」というものがあるそうです。この受容器は、それぞれの関節がどのような向きにどれくらい曲がっているのかを脳に伝えます。
 だから、身体感覚が弱い子どもも、繰り返し、要求される運動を練習することで、固有感覚受容器を通して、脳の身体感覚を鍛えることが出来ます。

 様々な協調運動に取り組みましょう。協調運動とは、いろんな筋肉を同時に使う運動です。
 要するにどんな運動でもいいのです。普段の動きをわざと少し変えて楽しい動きをいろいろしてみてください。

なぜ、「指示に従う」ということを重視するか?

 療育の中では、挨拶の時に目を見ること他、「その気になれば出来るけれどもその時は気分が乗らないためにしない」ということを許さずに対応しています。挨拶だけで30分かかってしまうといったこともあります。それはなぜか?

 

 広汎性発達障害は共感性の混乱です。多数派の子どもは、1歳や2歳の頃、「名前を呼んだら振り向く」とか、「面白いものがあるとお母さんにも見せて喜ぶ」という行動を、教えてもらわないのに自然にします。
 ところが、少数派のPDD児はこれが弱い。基本的には自分が好きなものを見て勝手に楽しんでいます。
 多数派の行動を教えようとすると、拒否したり怒り泣きをしたりします。

 これは、してもいい行動と、してはいけない行動の区別にも通じます。
 わざわざ教えなくてもしない行動、たとえば、「病院の待合室でうるさくしていることをお母さんに叱られたら、隣にいたおばあちゃんに八つ当たりして叩く」なんていうとんでもない行動は、多数派の子ども達はしません。
 みんながきちんと並んでいると、最初は悪ふざけしていても、何となく、まずい雰囲気を感じて、皆と同じように座るという行動を多数派の子ども達はとります。
 PDD児は、平気で八つ当たりしたり、いつまでもふざけていたりします。

 してもいい行動と、してはいけない行動というのは、きわめて難しい基準によって区別されています。状況次第で変わります。状況によって変わる基準というのは、とりあえずは教えようがありません。
 そこで、シンプルな基準を私たちは子どもに求めます。
 それは、「お母さんや先生の言うことをきく」という基準です。
 どんな状況でも、お母さんや先生の指示を聞いて頑張り、「できたよ!」と褒めてもらうことが嬉しい、そのために頑張るという基準です。
 その基準を基本として学び、正しい行動をたくさん身につけ、思春期以降、自分で考えていけばよいのです。

 子どもの自主性はどうなるの?という反論があるかもしれません。
 これは、全く心配はいりません。
 100%、お母さんの指示通り頑張る子どもも、中学生になれば、自己主張するようになります。
 自主性を発揮する人格をつくっていくための基礎作りの時期が乳幼児期から学齢期です。未熟で誤った自主性は認めてはいけません。

 インドに伝わる格言に次のようなものがあります。
「3歳までは王様のように大切にしましょう。16歳までは奴隷のように訓練しましょう。17歳からは友人として付き合いましょう」です。
「奴隷のように」とは「ごちゃごちゃ文句を言わせない」という意味です。
 今ほど、子どもの自主性尊重が声高らかに主張される時代は、歴史上、初めてでしょう。
 これは、たんなる流行(はやり)だと思います。
 療育で鍛えられて育った年長児や小学校1年生は、先生やお母さんに褒めてもらおうと一生懸命課題に取り組んでいます。
 とても、かわいらしい姿です。そんなふうに育てていきましょう。

PDD児を育てる ~生活、療育、学習~
相談室案内

こども相談室 てんとうむし 大口南

愛知県丹羽郡大口町秋田3丁目
196番地1

TEL.0587-22-5913

こども相談室てんとうむし

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